2014/12/27

管理会社に任せきりで大丈夫か

買うだけで、ほとんど何もせずに儲かるから、不動産投資に興味があるという方もいます。

特に、海外物件で短期間で価格が2倍になったというような事例を聞いて、やってみたいと考えるようになった方も多いようです。

確かに、ほとんど何のアクションも要せず、特段の修繕費もかからずに、毎月の家賃が振り込まれる「楽な」時期もあります。しかし、それがずっと続くことはありません。

それまで快適な巡航速度で進んでいたものが、一旦退去となると、立ち退き、クリーニング、修繕と、一気に問題(と経費)が湧いてくることもあります。新しいテナントさんを見つけてもらうための広告費、手数料も必要です。

人が住んでいれば使い痛みや故障が出てくるのは当然ですが、同じ人が入居しているうちはそのままで済んでいても、新しい人に入ってもらうとなると直さなくてはいけないことも出てきます。

どこまで修繕やグレードアップを行うか、家賃額の交渉をどうするかなど、細かなところでもオーナーの意思決定が必要となることがあります。

まずは日本で賃貸経営の感覚を掴んでから、それを海外でもやりたいのかどうかを考慮して海外物件の購入を検討すべきと思います。

業者が全部やってくれるから経験などなくてもできるのではと思うかもしれませんが、あまりにも業者の自由に任せてしまうと、管理手数料やら修繕費やら、好きなように取られます。テナント付けも真剣に行ってくれないかもしれません。

借り上げ(サブリース)で全てお任せというのもありますが、その分は上乗せした手数料分を取られます(サブリース会社からオーナーに支払われる契約賃料が相場より低い)。

評判などを確かめて信頼できる業者を探すのも大切ですが、相手を信頼しながらも手綱は握っていなければいけません。

あまり文句ばかりをつけて関係を損ねるのも問題ですが、あまりにいい加減であれば管理会社を変える必要もあります。

それが、管理会社から見ても、変なことはできないという抑止力にもなります。(そのエリアで管理を頼める会社が(実質的に)1社しかないというのは、初めから危ない兆候です)

ビジネスでも、オーナーが一切経営に関知しなければ、社員に好きなようにされるリスクが高くなるのと同じです。


確かに不動産投資では、日々の運営は管理会社に委託できますので、投資家自身で日々行うべきことはあまりありません。これは不動産投資(賃貸経営)のメリットです。

しかし、それは他人に全てを委ね、お金だけを受け取るということではありません。

2014/12/22

海外不動産の価格データの読み方

オーストラリアでは、不動産価格の動きは'median price'(中央値)で示されます。

単純な「平均値」ですと、一件で数十億円もするような高額物件や、逆に難あり物件の安い価格に、平均価格が引きずられることになります。

そこで、一定期間の取引を価格順に並べ、ちょうど真ん中に来る価格(中央値)が指標として利用されています。

(例)実際の取引価格
    8000万円
    6000万円
    5500万円
    4000万円 ← 中央値
    3800万円
    2000万円
    1500万円

とはいえ、これも万能の指標ではありません。

たまたまある時期に新築の高額物件が大量に市場に出れば、その時期の中央値は押し上げられます。
ここ3ヶ月で値上がりした、1年間で値上がりしたといっても、それは中古物件の取引が減少し、新築の供給が増えたからなのか、それとも中古物件でも価格が上昇しているのか、見極めが必要です。

データを取る期間が長く、対象の取引数が多いほど、データのブレは少なく信頼性が高いデータといえるでしょう。逆に、短い期間での数十件程度の取引数の中央値であれば、大幅に値上がり(値下がり)しているといっても、あまり信頼性はありません。

ある地区では1LDKの間取りが多く、別の地区では3LDKの間取りが多いなど、地区によって特性が異なる場合もあります。この場合は、単純に地区ごとの中央値を比べただけでは、実質的な値段の違いが分かりません。

データ提供会社では、戸建て、マンションに分けて、またベッドルームの数に分けて、中央値のデータを提供しているところもあります。

また、新築物件の場合、売り出し価格には、建築コストに加えて、開発業者の利益も含まれています。新築物件の値動きは、必ずしも不動産取引市場全般の動きを反映しているとは言えません。

したがって、この地区では値上がりしていると業者に紹介されても、新築の売り出し価格が値上がりしているだけなのか、それとも中古物件の価格も値上がりしているのか、分析が必要です。

この点は、業者の言い分を鵜呑みにせず、自分で調べる必要があります。または、中立の立場で情報を提供している企業から、(ちゃんと自分で費用負担して)データを購入するかです。

そもそもデータが整備されていない途上国で投資する場合は、自分の足で現地で調べるか、現地に(売り手でない、少なくとも中立の)パートナーがいないとリスクが高いです。

途上国案件の場合、値動きとか成長性とか、たいていの情報の出所は開発業者(売り手)なのが実際だと思いますが。

自分が将来売却する際には、当然、中古物件として扱われることになります。マーケット全般に、中古物件の価格が上昇していなければ、(キャピタルゲインも狙う場合の)投資としては意味がありません。

いずれにせよ、その都市(地区)で何%上昇したといっても、全体の傾向を示す目安にしかなりません。投資として成功したかどうかは、自分が投資した物件の価格が上昇しているかどうかによります。

自分の購入した物件がどの程度値上がりしたか(厳密には、値上がりしたと推測されるか)は、立地、間取り、設備などが同程度の物件で比べてみないと分かりません。

オーストラリア不動産の価格上昇がスローダウン

不動産取引データを提供しているCoreLogicが公表したデータによると、オーストラリア不動産の値上がりペースに減速感が見られます。(2014年10月末時点)


これは、2015年、2016年と価格の上昇速度が減速していくとの複数の専門家の見立てと一致するものです。

もっとも、グラフはオーストラリアの大都市全体の姿を表したもので、取引ボリュームの大きいシドニー、メルボルンの価格変動が大きく影響しています。
全ての都市が、同じ動きをしているわけではありませんが、全体の傾向は読み取ることができます。

例えば、ブリスベンの上昇サイクルのピークはこれからと言われていますが、国全体での不動産投資が減速していく中では、今後、ブリスベンだけが年10%、15%を超えるスピードで上昇することはないでしょう。

外部環境にも左右されますが、近年の値動きをグラフで見ると、今後、2016年から2018年にかけてのボトムの時期には、5%程度のマイナスになることも考えられます。

マイナスの度合いも、投資家の選好度や地域経済の底堅さによりますので、マイナス圏に突入する都市もあれば、ボトムでも成長がゼロになるだけ(値下がりはしない)の都市に分かれるでしょう。

もっとも、オーストラリアでは政府の物価上昇率ターゲットを2%~3%に据えており、概ねこの範囲で推移しています。したがって、値上がりがゼロというのは、物価上昇分だけ実質的には値下がりしているとも言えます。

あくまでも過去のデータではありますが、グラフのとおり、値下がり局面でも、1~2年間で、年5%程度の下落です。今後、値下がりの可能性はありますが、あえて底値を待つというほどの下落にはならない可能性もあります。

現状での価格の値ごろ感や今後の値上がり見込みを考慮すれば、短期的にも少しでも損はしたくないという投資家の場合は今が絶好のチャンスとは言えませんが、長期的な視点で、海外への資産分散なども考慮しての投資であれば、あえて底値を狙う必要もないでしょう。

つまり、無理をしてでも参入すべき時期とは言えませんが、資金、情報などの準備が既に整っていて、海外での資産分散の必要性もあるのであれば、(来るかどうか分からない)底値を敢えて待つ必要もないだろうということです。もちろん、今後の値下がりリスクが少ない地区で、適切な物件を選別することが前提です。

オーストラリアの物価、人口、GDPは上昇を続けています。都市や地区によっては、2004年から2005年にかけての事例のように、物価上昇分程度は上がり続け、「底値」が来ない可能性があります。

2014/12/15

海外不動産の買ってはいけない物件
-資源関連都市

外国人投資家にはあまり宣伝されていないと思いますが、オーストラリア北部準州のダーウィンや、クイーンズランド州北部のグラッドストン、モランバなど、天然資源関連都市での不動産投資がときに人気を博すことがあります。

もともとが田舎町で低価格だった地域に、資源ブームのときには高給の仕事が多く生み出され、一時期は途方もない価格、家賃になっていました。

大都市の物件で「手堅い投資」をしていたのでは到底狙えないキャピタルゲイン、インカムゲインが期待できたことから、ニュースや投資雑誌で頻繁に取り上げられたことありました。

今では資源価格の下落で、こうしたエリアでの雇用も減り、住宅需要が急落しています。

何せ原油や鉄鉱石等の価格は、直近のピークから半値近くに下落しています。資源会社が鉱山を一時閉鎖したり、新規の開発もストップしています。

資源ブームを挟んだ良い時期に参入した投資家には、数年で不動産価格も家賃も2倍にということが起こりました。現在は元の田舎町としての状態に戻っています。

一過性のブームだと認識した上で行動していた抜け目ない投資家はともかく、資源高は当面続く(それに伴い鉱山都市の住宅需要も続く)とか、値段が上がっているから自分も買うと単純に考えていた投資家は痛い目にあっています。

景気が良い時期には、元々人口が少ないところに一気に労働者が増え、家賃は大都市よりも高くなることがあります。(高くても、景気のいい資源会社が負担します)。

しかし、資源産業の好景気が続くと見込み、遅い時期に参入した投資家は、痛い目を見ることになります。

5000万円くらいの物件をローンを組んで投資した場合、物件の価値は2500万円くらいに下がり、取れる家賃も激減しているのに、ローンの返済は続けなくてはいけません。引退後のために資産を増やすつもりが、一生働くことになりそうな個人投資家もいます。

国内ではホットスポット(狙い目)としてもてはやされることもありますが、どうしても動きが遅くなりがちな外国人投資家としては、初めから対象にしないほうがよいでしょう。

資源都市が将来、また狙い目として喧伝される時期が来るかもしれません。オーストラリアの資源都市に限らず、世界の新興都市での投資が喧伝されるときは同様のリスクがありそうです。

結果論で言えば、「あのとき買っていれば」と思うことはあるかもしれませんが、それは世界のどこでも、株の場合でもあることです。

なお、大都市でも、ウェスタンオーストラリア州の州都パースも、地元の産業が資源関連に偏っているため、田舎町ほどではないものの、資源価格に景気や雇用が左右されやすいため注意が必要です。

天然資源ほど劇的な動きはないかもしれませんが、観光メインの都市、ケアンズ、ゴールドコーストなども、国内外の景気に左右されやすいので注意が必要です。

こちらは知名度が高いこともあり、外国人向けにも宣伝されることが多いので、特に気を付けないといけません。

数億円規模の資産があって、ポートフォリオの一部として資源都市、観光都市で大当たりを狙う(想定通りにならなくても耐えられる)ならありかもしれませんが、老後のための資金など、資産の大部分を投資として振り分けるのにはお勧めできません。

自分が住むための終の棲家として、値上がりも家賃収入もあてにせずに購入するなら別ですが。

2014/12/10

海外不動産の買ってはいけない物件
-家賃保証マンション

オーストラリアでは、大規模な開発物件など、投資家向けに家賃保証付き(利回り7%保証など)で売られているケースがあります。

一般に家賃保証には以下のリスクがあります。

・ いずれは保証家賃が減額
・ 物件価格に保証分が上乗せされている可能性
・ 空室時の家賃免責期間、費用負担、解除時の違約金などが発生する場合も
・ 保証会社(ディベロパー)の倒産リスク

また、サブリース型(保証会社が第三者に貸し出し)の場合、以下のリスクもあります。

・ 入居者の素性がオーナーには知らされない
・ 物件の状態が不明(ボロボロにされているかも)
・ 保証契約終了後は、上記の入居者を、現況で引き継ぐ

家賃保証は2年間で一区切りが多いようです。契約当初は、周辺の相場並み、ときに相場より高いこともあります。当面は家賃収入が確保されるということで、投資家(購入者)を安心させる趣旨です。

当初の保証期間が終了後は、保証を継続する場合でも間違いなく減額提示が行われます。(保証会社の取り分を増やすには、オーナーの取り分を減らす必要があります)

また、オーナー側の意志で保証契約を更新しない、打ち切る場合の手数料や違約金については、サインをする前に必ず契約書の確認が必要です。

解除手数料などが高すぎて、家賃保証額の減額に泣く泣く従わざるを得ない、となりかねません。

また、保証契約の更新をしない場合、賃借人を現況で引き継ぐことになります。

契約中は、保証会社は空室でもオーナーに家賃を払わないといけないため、とにかく空室を埋めようとします。

家賃を相場より下げたり、敷金なし、賃借人の身元調査がずさんなど、オーナーとしては好ましくない状況で引き継がざるを得ないこともあります。

日本で実際にあった話ですが、保証契約を終了させた後、賃貸管理を引き継いでくれる管理会社を探して問い合わせを行うと、既存の入居者の審査が行われました。(サブリース型の保証だと、オーナー側は実際の入居者を選べません)

新たに賃貸管理をお願いする会社の基準で入居者に問題ありの場合(本来は入居審査で引っかかるようなケース)や、すでに入居者とトラブルになっている場合など、管理を引き受けてもらえないリスクがあります。

万一、どこも引き受けてくれないとなると、そうした入居者を相手に自分で家賃の催促などもしないといけません。家賃が下がることよりも、このリスクが一番怖いかもしれません。

サブリース型の家賃保証を付けるとしても、ちゃんと入居者審査を行っている、信頼できる会社かどうかは大切です。

また、保証会社もビジネスとして行っています。空室損のコストに加えて、利益も乗せないとビジネスとして成り立ちません。保証家賃は市場価格より2割程度は安いでしょう。(もしくは、その分を当初の物件価格に上乗せです)

基本的な考え方としては、空室率10%以下が見込まれるなら、オーナー側には家賃保証のメリットがないです。

そもそも、空室率が高く、家賃保証してもらわないと維持できないようなエリアでは投資をしないということです。

いずれにせよ、保証は不要ということになります。

確かに、一つの物件だけを保有している場合は、ある時期に数か月も空室が続く可能性もあります。

リスクを分散するなら、複数物件を異なるエリアに所有する、他の資産とのバランスで不動産投資はポートフォリオの一部に留めるなどを考慮すべきでしょう。

一つしか物件を所有できず、それも空室になると維持できない(中長期での投資ができない)のであれば、不動産投資を行う体制が整っていないとも言えます。

不動産投資の場合、買うにも売るにも相応の経費と時間がかかります。株のネット取引のように数千円のコストですぐに損切りというわけにはいきません。

たとえしばらく空室が続いたとしても問題のない体制を整えてから投資すべきですし、そうであれば家賃保証も必要ありません。

また、家賃保証付き物件が多いマンションの場合、他の注意点もあります。

自分の物件に家賃保証を付けない場合に、賃貸管理を誰に頼むかです。

同じマンションで空室が出た場合、保証会社と管理会社が同系列の場合、当然、保証付きの物件から埋めようとします。保証付きの物件が空室のままだと、保証会社側の損失になるからです。

自分が家賃保証を付けない場合でも、マンション全体で家賃保証物件が多いのか、賃貸管理会社と保証会社が系列会社かどうかには注意しましょう。

2014/12/02

海外不動産の買ってはいけない物件
-幹線道路沿いなどセカンドクラスの立地

地区自体は良いとされるエリアでも、幹線道路沿いや、近隣に変電所などいわゆる迷惑施設がある物件は避けるべきです。

商業施設が近くにあるのは一般的には良いのですが、夜遅くまで人通りが多く、駐車場に車が出入りする、飲食店からの音楽や人の会話がうるさいなど、店舗に近すぎるのも敬遠されます。

どのような物件でも基本的に道路に面しているわけですが、ほとんど住民しか利用していない静かな道路に面しているのがベストです。都心に近い立地であれば、この点は売りになるくらいです。

逆に、昼夜問わずトラックが通り抜けるような道路に面している場合は、始終騒音にさらされることとなりますから、将来の買い手や借り手がしり込みする可能性があります。

住んでいるうちに気にならなくなることもあるでしょうが、そこに初めて住むとなると、やはり手を出しにくいものです。貸すとき、売るときに、需要がそれだけ少なくなるということです。

利便性の高い場所であれば、安いなら住んでもいいという人もいますが、どんなに安くても騒音は嫌だという人もいます。いずれにせよ、家賃や価格がどんどん上がっていくという状況は想定しにくいでしょう。

近隣の物件でも、道が一本違うだけで、交通量が大幅に違う場合も珍しくありません。

基本的には、行き止まりの道路、幹線道路や橋への接続が良くない道路に面しているほうが、住環境の面では静かな良い環境となります。住民以外はほとんど道路に入ってこないからです。

同じエリアの物件なら同じ価値ということはありません。少なくとも、幹線道路に面している物件なら、それを織り込んだ価格で購入する必要があります。

駅まで徒歩8分の物件が5千万円で売られていたとして、より駅に近い徒歩5分の物件が同じ5千万円で買えるならお得かというと、そうとも限りません。

このあたりの相場観は、やはり現地を見てみないと、地図だけでは分かりません。

幹線道路に挟まれた角地などは、当地の投資家は、立地を見ただけで対象から外す人も多く、投資の出口が狭まるので安くても避けた方が無難です。

それから、立地に関して注意すべきは、同じ地区内でも自然災害に弱い地点、強い地点があります。

少なくとも過去数十年はさかのぼって、大きな被害を与えた災害がなかったか調べる必要があります。地盤や立地の高低によって、被害の大きかった地区、ほとんど被害がなかった地区に分かれるはずです。

ブリスベンであれば、川からの洪水被害が主な自然災害リスクです。2011年に100年に一度と言われる規模の被害が発生しました。

都心に近いエリアでも、水浸しになった地区と、全くといっていいほど被害を受けなかった地区があります。実際の被害を受けた地区が地図化され、市役所のホームページで公開されています。

100年に一度の洪水といっても、次に起こるのはまた100年後とは限りません。大規模な災害リスクの高い地区を避けるのも不動産投資の大切なポイントでしょう。(当然ながら、不動産は場所を移せません。立地自体が価値を大きく左右します)

市民へ危険性を喚起するために必要なことではありますが、ブリスベンのように洪水危険度の地図が公開されると、高リスクと指定された地区では、どうしてもそれを織り込んだ価格が形成されます。

我々が以前に住んでいた地区では、同じ道路に面していても、距離が100メートル違えば、坂の高低差で、浸水リスクがずいぶん違うということもありました。

少なくとも、高リスク地区と知らずに買ってしまう、ということは避けなければいけません。

浸水に関しては、「自分の物件は2階以上だから関係ない」とは必ずしも言えません。地下駐車場、ロビー、エレベータなど共有部分が被害を受けると、オーナー全員で費用を分担する必要があります。

通常は管理組合で建物の保険に加入しているはずですが、被害の全額はカバーされないとなると、一時拠出金が必要となる可能性もあります。

また、災害リスクの高いエリアでは、建物の災害保険料も基本的に高くなりますので、購入前にコストを調べておくことも必要です。

2014/12/01

海外不動産の買ってはいけない物件
-建物の中で、悪いスポット

同じ建物で同じ階、同様の間取りでも、値段が大きく異なる場合もあります。

例えばオーシャン・ビュー、リバー・ビューのある物件と、道路に面している物件とでは、階数、広さなど他の条件が同じでも、価格が1千万円以上違うこともあります。

同一の建物内でも、バルコニーから見下ろした景色が、ごみの集積場所だとか、駐車場、また、隣のマンションの壁が近い、という物件は避けられます。

その分、他の物件のより安く買える可能性もありますが、経済的に余裕のある層が好んで選ぶものではなく、将来の値上がりポテンシャルは低くなります。

一等地で安く買える、そして割安で貸しても構わないということであれば、一定の需要があるかもしれませんが、少々イレギュラーなニッチを狙っていると言えます。

現地に住んでいて事情がよく分かっているという投資家でなければ、避けるべきでしょう。

少なくとも、こうしたマイナス物件を、現地を調べずに、普通の物件と同じ価格帯で買ってしまう失敗は避けなくてはいけません。

眺望や位置取りに関しては、何が良いか悪いかは基本的に日本の状況と同じですが(多少、重視するポイントが異なる場合があります)、海外投資ということで、この点のチェックが甘くなったり、業者の宣伝を鵜呑みにしてしまうことがないよう注意が必要です。

「現地の人は気にしない」というのは、本当に気にしないのか、日本人に比べてそれほど気にしないのか、実際の市場価値の差など、裏を取らないといけません。

周辺環境の調査にあたっては、グーグルマップも参考になりますが、映像が数年前のままということもありますので、鵜呑みにしてはいけません。

物件を写真で確認する際にも、本当にその物件のものか、その物件から(自然に)見える眺望か、それとも単なるイメージ写真か確認が必要です。後になって「別の物件の写真と間違っていた」と弁解されても、契約の取り消しまではできないでしょう。

眺望やポジションが気に入って買う場合、特にその点にプレミアムを支払う場合は、自分の目で現地で確認すべきです。

もっとも、明らかにマイナスのある物件は(立地自体は良くても)避けるとして、建物の中での最上等物件を狙うかはケースによります。

オーシャン・ビュー、リバー・ビューの特に上等の物件と、眺望、位置取りに問題がない物件(マイナスはない、普通の物件)であれば、どちらを選ぶかは、どの価格帯(マーケット)を投資対象にするかによって異なります。一概にどちらが良いとは言えません。

海や川に面している物件のほうが、富裕層を対象にした価格帯となること、希少性が高いことから、キャピタルゲインに関してはポテンシャルが高いと言えます。

一方で、既に眺望のプレミアムが付いた値段になっているはずで、それ以上の値上がり余地が少なくなっていないか、プレミアムが高すぎないか注意が必要です。

また、そうした高額物件に賃貸で住みたい人となると、高給取りの海外駐在員が多い都市でないと、借り手の層も限られます。物件価格も賃貸状況も景気に左右されやすいため、本当に資金に余裕のある投資家向けでしょう。

また、眺望が売りの物件の場合、海や川に面しているといっても、リビングのソファーに座りながらでも見えるのか、バルコニーから身を乗り出せばようやく見えるのか、状況は様々です。当然、実質的な価値も異なります。

値下げ、安く買えるという宣伝文句に釣られず、自分で現場を調べないといけません。「既に売れた同じ階の物件より500万円安い」といっても、眺望や騒音、角部屋かどうかなども考慮すれば、実は1千万円引きが妥当という可能性もあります。

将来の都市計画の変更などで、眺望がブロックされる可能性もあります。眺望を遮る別建物の建築は物理的に不可能という立地でない限り、眺望にプレミアムを支払うのは長期的にはリスクを抱えます。(建築規制は変わる可能性があり、公有地も放出される可能性があります)

現に、ブリスベンの都心に近いSouth Brisbane地区では、従来は6階建てまでに制限されていました。しかし、このままでは住宅需要に追い付かないということで、数年前に都市計画が変更され、20階建てまで許可されるようになりました。

以前は高さ制限ギリギリだった6階建てのマンションも、現在は20階建ての新築マンションの間に挟まれてすっかり空を覆われています。

かつての最上階の眺望も、このように簡単にプレミアムが剥落してしまうリスクがあります。

また、本来は富裕層が好む地区ではないものの、川に面していて間取りが広い(最上階のペントハウスなど)ということで、高級物件としての価格帯で売られているものもあります。

こうした物件に関しては、将来、富裕層が住みたいと考える地区になりそうか、その地区で富裕層が物件を借りてくれるか、分析が必要です。どんなに建物内がきれいでも、都心までのアクセスが不便、治安に問題があるという環境では、富裕層が好んで買って(住んで)くれることはありません。

我々は、リスク低減の観点で、はじめから海や川の眺望のない物件をターゲットにしています。将来眺望がなくなるリスクがないのと、どれくらい見えるからいくらという価格算定も必要ないためです。

眺望や建物内でのポジションが最上というわけではないが、決して悪くもないという物件を、それを織り込んだ価格帯で狙います。ただし、素晴らしい眺望はなくても、角部屋だとか、日当たりがいい、道路に面していなくて静かなど、何かセールスポイントがあることは求めています。

これは将来の売却、賃貸にあたって、同建物内での競合リスクを少なくするためです。