同じ建物で同じ階、同様の間取りでも、値段が大きく異なる場合もあります。
例えばオーシャン・ビュー、リバー・ビューのある物件と、道路に面している物件とでは、階数、広さなど他の条件が同じでも、価格が1千万円以上違うこともあります。
同一の建物内でも、バルコニーから見下ろした景色が、ごみの集積場所だとか、駐車場、また、隣のマンションの壁が近い、という物件は避けられます。
その分、他の物件のより安く買える可能性もありますが、経済的に余裕のある層が好んで選ぶものではなく、将来の値上がりポテンシャルは低くなります。
一等地で安く買える、そして割安で貸しても構わないということであれば、一定の需要があるかもしれませんが、少々イレギュラーなニッチを狙っていると言えます。
現地に住んでいて事情がよく分かっているという投資家でなければ、避けるべきでしょう。
少なくとも、こうしたマイナス物件を、現地を調べずに、普通の物件と同じ価格帯で買ってしまう失敗は避けなくてはいけません。
眺望や位置取りに関しては、何が良いか悪いかは基本的に日本の状況と同じですが(多少、重視するポイントが異なる場合があります)、海外投資ということで、この点のチェックが甘くなったり、業者の宣伝を鵜呑みにしてしまうことがないよう注意が必要です。
「現地の人は気にしない」というのは、本当に気にしないのか、日本人に比べてそれほど気にしないのか、実際の市場価値の差など、裏を取らないといけません。
周辺環境の調査にあたっては、グーグルマップも参考になりますが、映像が数年前のままということもありますので、鵜呑みにしてはいけません。
物件を写真で確認する際にも、本当にその物件のものか、その物件から(自然に)見える眺望か、それとも単なるイメージ写真か確認が必要です。後になって「別の物件の写真と間違っていた」と弁解されても、契約の取り消しまではできないでしょう。
眺望やポジションが気に入って買う場合、特にその点にプレミアムを支払う場合は、自分の目で現地で確認すべきです。
もっとも、明らかにマイナスのある物件は(立地自体は良くても)避けるとして、建物の中での最上等物件を狙うかはケースによります。
オーシャン・ビュー、リバー・ビューの特に上等の物件と、眺望、位置取りに問題がない物件(マイナスはない、普通の物件)であれば、どちらを選ぶかは、どの価格帯(マーケット)を投資対象にするかによって異なります。一概にどちらが良いとは言えません。
海や川に面している物件のほうが、富裕層を対象にした価格帯となること、希少性が高いことから、キャピタルゲインに関してはポテンシャルが高いと言えます。
一方で、既に眺望のプレミアムが付いた値段になっているはずで、それ以上の値上がり余地が少なくなっていないか、プレミアムが高すぎないか注意が必要です。
また、そうした高額物件に賃貸で住みたい人となると、高給取りの海外駐在員が多い都市でないと、借り手の層も限られます。物件価格も賃貸状況も景気に左右されやすいため、本当に資金に余裕のある投資家向けでしょう。
また、眺望が売りの物件の場合、海や川に面しているといっても、リビングのソファーに座りながらでも見えるのか、バルコニーから身を乗り出せばようやく見えるのか、状況は様々です。当然、実質的な価値も異なります。
値下げ、安く買えるという宣伝文句に釣られず、自分で現場を調べないといけません。「既に売れた同じ階の物件より500万円安い」といっても、眺望や騒音、角部屋かどうかなども考慮すれば、実は1千万円引きが妥当という可能性もあります。
将来の都市計画の変更などで、眺望がブロックされる可能性もあります。眺望を遮る別建物の建築は物理的に不可能という立地でない限り、眺望にプレミアムを支払うのは長期的にはリスクを抱えます。(建築規制は変わる可能性があり、公有地も放出される可能性があります)
現に、ブリスベンの都心に近いSouth Brisbane地区では、従来は6階建てまでに制限されていました。しかし、このままでは住宅需要に追い付かないということで、数年前に都市計画が変更され、20階建てまで許可されるようになりました。
以前は高さ制限ギリギリだった6階建てのマンションも、現在は20階建ての新築マンションの間に挟まれてすっかり空を覆われています。
かつての最上階の眺望も、このように簡単にプレミアムが剥落してしまうリスクがあります。
また、本来は富裕層が好む地区ではないものの、川に面していて間取りが広い(最上階のペントハウスなど)ということで、高級物件としての価格帯で売られているものもあります。
こうした物件に関しては、将来、富裕層が住みたいと考える地区になりそうか、その地区で富裕層が物件を借りてくれるか、分析が必要です。どんなに建物内がきれいでも、都心までのアクセスが不便、治安に問題があるという環境では、富裕層が好んで買って(住んで)くれることはありません。
我々は、リスク低減の観点で、はじめから海や川の眺望のない物件をターゲットにしています。将来眺望がなくなるリスクがないのと、どれくらい見えるからいくらという価格算定も必要ないためです。
眺望や建物内でのポジションが最上というわけではないが、決して悪くもないという物件を、それを織り込んだ価格帯で狙います。ただし、素晴らしい眺望はなくても、角部屋だとか、日当たりがいい、道路に面していなくて静かなど、何かセールスポイントがあることは求めています。
これは将来の売却、賃貸にあたって、同建物内での競合リスクを少なくするためです。