2015/02/04

オーストラリアの住宅価格上昇率 - 2014年

以下のグラフは、2014年のオーストラリア主要都市の住宅価格上昇率を表したものです。(201412月末時点の推計値)

Source: Fairfax/Domain

シドニーは12.4%上昇とダントツですが、メルボルンも7.6%と堅調に推移しました。
次は出遅れ銘柄ブリスベンの番と言われていたところですが、2014年の段階ではまずまずで、巷で言われていたほどのブームにはなりませんでした。

今回の上昇局面は2012年の中ごろに始まりましたが、パース、メルボルン、シドニーの順にスパートし、2014年のパースは2.1%のみの上昇と息切れ感が伺われます。

シドニーも2014年前半は年率換算15%を超えるペースで上昇していましたので、年後半にはペースを落としているようです。シドニー相場はソフトランディングに向かっています。

それでも年12.4%の上昇ですから、5,000万円の物件を保有していたとすると、これが5,620万円(620万円増)に上昇し、ただ保有しているだけで相当な資産を増やしたことになります。

さらに、これに加えて家賃収入(物件価格の45%)もありますが、ローンを組んでいた場合は金利返済、また保有コストもありますので、実質的にどれだけ資産を増やせたかはケースバイケースとなります。

給料から500万円、600万円と貯めて資産を増やすのはなかなか大変です。キャピタルゲインを狙った不動産投資の場合は、エリアと物件の選定がしっかりできれば、価格上昇局面ではこれくらいは難しいことではありません。

また、レバレッジを掛けて投資する場合、物件価格が12.4%も上昇すれば、自己資金に対する利回りは相当なものです。

なお、オーストラリアではローン金利が高いため、家賃収入で金利支払いや諸々の経費をカバーするには、40%から50%は自己資金を入れる必要があります。それ以下の自己資金比率だと、月々の持ち出しが発生します。(オーストラリアでの一般的な自己資金比率は20%ですが、10%でも追加手数料を負担すれば可能です)

それでも、ローン金利が5%だとしても、保有している物件の価格が12%も上昇すれば、十分に元が取れたと言えるでしょう。

仮に持ち出しのない自己資金比率50%の投資家(家賃収入と金利支払い、諸経費がトントン)がいたとすれば、自己資金に対して24.8%も資産が増えたことになります。2,500万円を投じて1年で620万円資産が増えたというのは、なかなかの利回りではないでしょうか。

もっとも、長期で見れば、爆発的に上昇する年もあれば、値下がりする年もあります。長い目で見れば、今後は1年あたりの上昇率は5%程度に落ち着くのではないでしょうか。
街全体で平均5%上昇する場合でも、これを上回る地区、下回る地区があります。中長期的に平均を上回る6%、7%上昇が見込めるエリア選び、物件選びが投資家としての腕の見せ所です。

ところで、ある投資雑誌の特集(201312月時点)で、2014年に値上がりが期待される地区として、ブリスベンのNew Farm地区が全国1位に選ばれていました。

確かに2014年のNew Farm地区は戸建てで10%、マンション(区分)で6%程度は上昇しましたので、悪い予想とまでは言いませんが、これ以上に上昇した地区はシドニーではいくらでもあります。
雑誌記事を信じてわざわざ遠方から購入した人にとっては、(今のところ)労力の割に大したことはなかったというのが実感でしょう。不動産は中長期の投資が主眼ですから、これからに期待です。

なお、同雑誌が201212月の段階で予想した2013年の上昇予想1位もブリスベン市内のSouth Brisbane地区でしたが、こちらはさらに低い年間数%の上昇率に留まっています。

この記事を信じて買ってしまった投資家は、「こんなことなら、シドニーでどんな物件でもいいから買っておけばよかった」と後悔しているでしょう。シドニーは20132014の2年間で合計約30%上昇しています。

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