2015/01/06

世界の不動産価格上昇率-2014年は欧州、中東が上位

2014年の世界の住宅価格の動きを振り返ると、ヨーロッパ、中東、オセアニア諸国が力強く上昇し、アメリカ、アジア諸国は2013年の勢いを失ったようです。

Source: Global Property Guide

なお、表中の数値はインフレ(物価上昇)調整後のものです。不動産価格が現地の金額で20%上昇したとしても、物価も20%上がっているのであれば、実質的な値上がりは0%として示されています。

この点は、「〇%も値上がりした」という海外不動産によくある宣伝文句を鵜呑みにしないよう注意したいですね。

ドバイは物価調整後の実質上昇率でも、2年連続で20%を超えています。ドバイの物価上昇率は4~5%程度ですので、名目値では年30%に近いすさまじい価格上昇です。
おそらく現地では「今買わなければ、二度と買えない値段になる」という状況だったのではないでしょうか。(典型的なピーク価格の形成過程です)
もっとも、直近の四半期ではマイナス成長になっていますので、ブームも終焉となりそうです。

先進国では、アイルランド(人口460万人)の小さなマーケットに資金が流れ込んだようです。年14.5%の上昇で、直近四半期だけでも6%以上の上昇です。

イギリス、オーストラリアも堅調な上昇を見せています。表中の数値は物価上昇分が差し引かれていますので、現地通貨建てでは10%近い上昇です。

アジアでは、シンガポール、香港、北京と、上昇率が大幅に低下し、マイナス成長に陥っている都市もあります。
フィリピン(ビジネスの中心地区Makati)でも2013年の大幅上昇から一転、2014年は大幅にブレーキが掛かりました。
東京も2013年はアベノミクスの影響もあって7.6%の堅調な価格上昇を見せましたが、2014年はほとんど横ばいでした。

全般に見ると、イギリス、オーストラリアが先進国としての安定性に加えて、堅実な成長も見込める市場と言えそうです。双方とも比較的高い出生率に加えて、移民の流入で長期的に人口増加が続くと予測されています。

アジア諸都市では価格の上昇が鈍化しており、経済基盤の脆弱さ、法制度、物件管理体制のリスクも考慮すると、現在の価格水準では旨みは少ない印象です。少なくとも買い急ぐ必要はないでしょう。

中長期的には、経済・人口の成長性、マーケットの規模を考えると、トルコ(表中の5位)も面白いと考えています。

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