2015/01/06

2015年の住宅価格予想-オーストラリア不動産

価格動向の予想に定評のあるエコノミスト、アンドリュー・ウィルソン氏(不動産情報企業Fairfaxのチーフエコノミスト)によると、201412月時点でのオーストラリア各都市の住宅市場は以下のとおりです。

メルボルン、パース: ほぼピーク
シドニー: 上昇局面の後半
ブリスベン、アデレード: 上昇局面の前半

Source: propertyupdate.com.au

メルボルン、パースは価格上昇の最終局面とされ、今後は価格上昇に一層ブレーキがかかり、さらには価格下落局面入りも想定されています。

一方で、ブリスベン、アデレードはこれから上昇が加速する局面にあります。一般的にはそう言えますが、国全体での金利や景気の動向次第では、これから価格が伸びる前に不動産マーケット自体が沈静化してしまうリスクにも注意が必要です。

以下は、ウィルソン氏による2015年の価格上昇予想です。

シドニー   7
ブリスベン  5
アデレード   4%
メルボルン   4
パース    3

シドニーは上昇の最終局面にあり、昨年の約15%上昇から減速するとはいえ、十分な上昇幅を維持する勢いです。

一方、出遅れ銘柄として期待されていたブリスベンも、昨年と同水準の堅調な価格上昇が見込まれています。しかし、一部メディアで「次はブリスベンが儲かる」と囃されていたほどの上昇率ではありません。他都市での上昇が鈍化していく中、20152016年とブリスベンの価格上昇がどこまで続くかが注目点です。

なお、上記で紹介した数値は、各都市の平均値での予想です。実際には地区によって上昇幅は異なります。

以下は氏が具体的に触れていることではありませんが、過去の実績を見ても、例えば、シドニー全体で7%上昇するとして、15%上昇する地区(suburb)もあれば、ほとんど上昇しない地区もあるでしょう。

また、同じ地区の中でも、地区平均を上回る地点、下回る地点が出てきます。

価格については結果論的なところもあり予測どおりになるとは限りませんが、需要と供給のバランスをしっかり分析し、できるだけ平均を上回る価格上昇をしそうな地点で、適切な物件(戸建てかマンションか、需要の多い間取りは、など)を選びたいものです。

なお、高利回り(物件価格の割に高い家賃が取れる)地区を推奨する人もいますが、高利回りにはそれなりの理由があります。価格も家賃も上昇する可能性が本当に高いのであれば、既に投資家がこぞって参入しているはずで、高利回り(低価格)のまま放置されているはずがありません。

リスクがある、あるいは成長性が低いと判断している投資家が多いために、高利回り(低価格)になっているのです。

他の地区と比べた高利回りのギャップがいずれ解消される(価格が上昇する)ことを想定して勧める人もいます。しかし、株式投資の場合でもそうですが、低PERのまま放置されている企業もたくさんあります。

必ずしもギャップが解消するとは限りませんし(二等地はいつまでたっても二等地のままというケースは珍しくない)、そもそも家賃が下がってしまうと利回りも悪くなってしまいます。こうなるとさらに低価格でないと売れないという悪循環に陥ってしまうリスクがあります。

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