2014/11/21

海外不動産の買ってはいけない物件
-管理組合が機能していない

オーストラリアでは、物件購入にあたって弁護士(Solicitor:日本の弁護士と司法書士の中間的な資格)に契約書のチェックを依頼するのが通常です。日本のワンルームのような数百万円の安い買い物にはならないからということもあります。

(売り手には、売り手側のサイドに立って契約書を作る弁護士がいます。したがって、自分サイドに立って契約内容をチェックしてくれる弁護士を別途に雇う必要があります。「定型的な契約書ですから」というのを鵜呑みにするのは危険です)

これに合わせて、弁護士を通じ、管理組合の議事録を取り寄せます。直近のものだけでなく、できれば数回分を取り寄せることが推奨されています。
(日本では、ワンルームの区分を一つ買うくらいなら、ここまではやっていないのが通常でしょう。建物の状態や賃貸状況が良好で、修繕積立金がしっかり貯まっているなら良しとすることが多いのではないでしょうか)

管理組合がしっかり機能しているか、大規模修繕の予定があるか、建物の構造やオーナー間、入居者間などで問題がないかなどをチェックするためです。

オーストラリアでは、海外に居住している外国人投資家は新築物件しか購入できませんので、まだ管理組合の総会も開催されていないケースがほとんどでしょう。

もっとも、完成後に売れ残っていた物件を購入する場合であれば、既に総会が開催されているケースも考えられます。
新築だから何も問題がないとも言えませんので、諸々の点で不具合が出ていないかどうか、既存のオーナーから不満が持ち上がっていないか、チェックすることが可能です。

オーストラリアの都心に近い高層マンションでは、所有者が自分で住んでいる戸数よりも、投資家が貸し出している戸数のほうがかなり多いのが実際です。物件の管理や修繕などにオーナーがちゃんと目を光らせているか、業者の言いなりになっていないか、注意が必要です。

特に、外国人投資家に人気のエリアでは、自分で住んでいない多くのオーナーが、物件の維持管理に積極的に関与していないおそれがあります。

この点は日本のワンルームマンションのほうが顕著かもしれません。東京のワンルームでは、50戸くらいの規模のマンションで、オーナーが総会に参加するのは、2、3戸くらいです。
もちろん、郵送でも投票できるのですが、理事長に一任を選ぶオーナーが多くいれば、管理業者のいいようにされてしまうリスクがあります。

そもそも論になってしまいますが、地元のオーストラリア人が自分で購入し、自分で住んでいるようなエリア、物件タイプを狙うのが、管理組合の運営を考えれば安心ということになります。

同一のマンションの中で、持ち家と賃貸の割合が、少なくとも半分はほしいです。賃貸が7割を超えると、投資家の割合がかなり多い印象です。

なお、日本でも同様ですが、管理費、修繕積立金に関しては、新築当初はかなり少ない額に抑えられています。維持管理費をできるだけ少ないように見せて、心理的に買いやすくするためです。

負担金額の水準は、間取り、プール、エレベータなどの付帯施設にもよりますが、新築から数年のうちに、管理組合で維持管理費の増額が議論されることになります。

同等の中古物件の管理費くらいはいずれ請求されることになると、あらかじめ見込んでいなくてはいけません。

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