周辺が低~中所得者向けの住宅が多い地区の場合、間取りの広い高級物件を買ってしまうと、貸すのも、売るのも大変です。
建物や設備が高級な割に、他の地区に比べて安く買えるということで、こうした地区の高級物件に手を出してしまうと後で苦労します。
日本と異なり、海外では地区によって所得水準から治安までガラリと変わります。
いくら建物の中は立派でも、周辺環境が似つかわしくなければ、高所得層が相応の家賃を払って住むことは期待できません。
一方、高所得層が徐々に移り住んできている地区(人気化している地区)で、間取りが狭いために手ごろな価格でとか、築古の物件が放置されているのを安く買えるということであれば、割安でそうした人気地区に住めるということで、それなりの需要は見込めるかもしれません。
(外国人投資家が中古物件を購入できるかは、国によって異なります)
もっとも、高級地区の中とはいえ2級物件となると、資金に余裕のある層が敢えて借りたり買ったりする物件ではないため、将来的な家賃の上昇、価格の上昇に関しては後れをとる可能性があります。
地元の情報が詳しくタイムリーに入ってくるわけではない海外投資家としては、あまり奇をてらわず、(現在および将来の)当該地区のイメージに見合った物件を取得すべきです。
地区住民の平均所得の傾向や世帯構成、街の雰囲気を見て、マンションか、タウンハウスか、庭付きの戸建てか、また、マンションを狙うとしてもどの間取りか、将来の需要予測が不可欠です。
「将来は街の人口が増えているはずだから大丈夫だろう」と漠然と考えるのは危険です。同じ街の中でも、地区によって賃貸状況、売買状況は大きく異なります。
どんな職業でどんな家族構成の人に貸すのか、売るのかまで想定して、本当にその値段で借りてくれるか、買ってくれるかを具体的にイメージしなくてはいけません。
オーストラリアの場合、国勢調査の統計で、地区ごとの平均所得、家族構成、住民の年齢構成などの推移が把握できます。
こうしたデータを活用し、将来の街の姿を推測しながら地区を選定することが大切です。
政府の「〇〇計画」で価値が上がるのに賭けるやり方もあるとは思いますが、私はそういう特別なことがなくても、自然に価値が上がっている地区を選びます。
本当に「〇〇計画」が実施され、完遂されたらボーナスになるくらいのスタンスです。
何もなかったところが開発されれば大儲けする可能性はあるかもしれませんが、他の競合を出し抜けるほどの情報やネットワークがなければ、海外で大勝負に出るのはリスクが高いのではないでしょうか。
もし投資するのなら、開発がとん挫するリスクを織り込んだ価格でということになるでしょう。開発が成功するのを前提にした価格での投資であれば、いずれにせよ旨みはありません。
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