2014/11/25

海外不動産の買ってはいけない物件
-専用の駐車場なし

専用駐車場なしの物件は、都心のステューディオ・タイプ(日本で言うワンルーム)や、場合によっては1LDKでも一部に見られます。

日本では、マンション内の駐車場は、管理組合から借りる(月々の駐車代金を負担する)のが通常と思います。

オーストラリアでは、駐車場の敷地自体は管理組合の所有となっていますが、部屋番号ごとに指定された駐車スペースの専用利用権が、部屋の区分所有権とセットになって売買されているのが通常です(月々の駐車代金はかかりません)。

専用駐車場なしの物件の場合、同じ間取りで専用駐車場付きの物件に比べて、数百万円程度は安く買えます。

一方で、家賃相場も、駐車場付に比べれば安くはなりますが、価格差ほど安くはならないため、結果的に家賃収入からの利回りが高めになる傾向があります。

当面のキャッシュフローの利回りで見れば、良さそうにも見えます。

もっとも、オーストラリアでは地下鉄などの鉄道網が、東京のようには発達していません。

都心に近い立地なら、車なしでも普段の生活は良いとしても、週末に友人宅やワイナリーに出かけたり、郊外の大きなモールに出かけるとなると、自家用車がないとかなり不便です。

立地と値段によっては諦める人もいますが、本当は専用の駐車場がほしいというのが本音です。

郊外では住宅地の路上に駐車するのは、オーストラリアでは標準的です。高校生以上になれば一人一台持っていますから、専用駐車場だけでは足りないという事情もあります。(路上駐車するのを前提に道路幅が決められています)

もっとも、都心に近いところでは、路上駐車できるスペースも限られ、近隣の住民がいつも確保できるとは限りません。

したがって、都心のマンションであっても、敷地内で地下駐車場などに少なくとも1台分は確保されているのが望ましいです。

駐車場の数は間取りとのバランスも必要で、2LDKまでであれば1台分でもよく、3LDKなら2台分は必要です。

逆に、1LDKで2台分のスペースがある場合、オマケならいいのですが、その分、値段が高いとなると、賃貸や転売時のターゲットが限定される可能性があります。

2LDKの場合は、専用駐車場は1台のみのケースが多いですが、郊外の物件であれば2台確保されている物件のほうがニーズがあるかもしれません。

都心のど真ん中など、職場へ歩いていけるような立地であれば、駐車場なしでも利便性で補えるでしょう。

それ以外の中途半端に便利な立地では、専用駐車場なしの物件は、転売でも、賃貸でもリスクがあります。

少なくとも、資金に余裕のある層は、こうした物件に住まないし、自宅用として買うこともありません。

よって、できるだけ安く住みたいという層が対象になるため、中長期的に、家賃が上がりにくく、資産価値も上がりにくい物件と言えます。

将来の物件売却の出口まで考えれば、駐車場なし物件は避けた方が無難です。

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