2014/11/26

中国人富裕層の選ぶ海外の投資先

世界中に華僑ネットワークを持ち、利に敏いとされる華人の動きを見れば、世界的な富裕層のトレンドを把握する参考になります。

中国人向けに世界の投資用不動産を紹介しているポータルサイトJuwai.comによると、サイトの閲覧件数、取引件数から算出した、華人に人気の不動産投資先は以下のとおりです。

1位 アメリカ
2位 オーストラリア
3位 カナダ
4位 イギリス
5位 ニュージーランド
6位 タイ
7位 シンガポール
8位 ポルトガル
9位 スペイン
10位 マレーシア

成長性、安定性に加えて、将来の移住先、子弟の留学先としても考慮されていることから、英語圏の先進国が上位に並んでいます。

日本ではよくPRされているマレーシア投資ですが、華人はそれほど関心を引かれていないようです。(トップ10には入っているとも言えますが)

投資の世界では、「日本人とアラブ人がやって来たら、そのマーケットはそろそろ終わり」と言われているようです。自戒も込めて、気を付けないといけません。

今後も、中国での生活環境が大幅に改善されたり、資産が没収される政治的リスクなどが落ち着かない限り、富裕層の海外への資産逃避は当面続くでしょう。

中国の経済規模が拡大を続ける限り、外に流出する資金の規模も拡大が続きそうです。

華人に人気の投資先には、相当な金額が毎年流れ続けることになります。特に、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど、経済、人口の規模が大きくない国では、かなりのインパクトを与えます。

中国の最上位2%の富裕層の数と、オーストラリアの人口が、概ね同じです。

当該サイトの代表者がインタビューで答えたところによると、平均的な取引価格は約1.3億円で、7割の人が現金で購入しているようです。

価格帯から考えると、中国で海外投資を考えている人というのは、やはり富裕層です。サラリーマンでも海外不動産投資を検討することがある日本とはずいぶん違います。

現金買いが多いというのは、国内に資産を置きたくないということもあるでしょう。

本来なら現金を手元に残してローンを組んだ方が資金効率もよいでしょうが、それよりも資産を海外に振り分けることが優先しているようです。

華人富裕層の間では、子弟を欧米に留学させ、その滞在用と投資を兼ねて、不動産を購入するケースはよくあります。

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