2014/12/15

海外不動産の買ってはいけない物件
-資源関連都市

外国人投資家にはあまり宣伝されていないと思いますが、オーストラリア北部準州のダーウィンや、クイーンズランド州北部のグラッドストン、モランバなど、天然資源関連都市での不動産投資がときに人気を博すことがあります。

もともとが田舎町で低価格だった地域に、資源ブームのときには高給の仕事が多く生み出され、一時期は途方もない価格、家賃になっていました。

大都市の物件で「手堅い投資」をしていたのでは到底狙えないキャピタルゲイン、インカムゲインが期待できたことから、ニュースや投資雑誌で頻繁に取り上げられたことありました。

今では資源価格の下落で、こうしたエリアでの雇用も減り、住宅需要が急落しています。

何せ原油や鉄鉱石等の価格は、直近のピークから半値近くに下落しています。資源会社が鉱山を一時閉鎖したり、新規の開発もストップしています。

資源ブームを挟んだ良い時期に参入した投資家には、数年で不動産価格も家賃も2倍にということが起こりました。現在は元の田舎町としての状態に戻っています。

一過性のブームだと認識した上で行動していた抜け目ない投資家はともかく、資源高は当面続く(それに伴い鉱山都市の住宅需要も続く)とか、値段が上がっているから自分も買うと単純に考えていた投資家は痛い目にあっています。

景気が良い時期には、元々人口が少ないところに一気に労働者が増え、家賃は大都市よりも高くなることがあります。(高くても、景気のいい資源会社が負担します)。

しかし、資源産業の好景気が続くと見込み、遅い時期に参入した投資家は、痛い目を見ることになります。

5000万円くらいの物件をローンを組んで投資した場合、物件の価値は2500万円くらいに下がり、取れる家賃も激減しているのに、ローンの返済は続けなくてはいけません。引退後のために資産を増やすつもりが、一生働くことになりそうな個人投資家もいます。

国内ではホットスポット(狙い目)としてもてはやされることもありますが、どうしても動きが遅くなりがちな外国人投資家としては、初めから対象にしないほうがよいでしょう。

資源都市が将来、また狙い目として喧伝される時期が来るかもしれません。オーストラリアの資源都市に限らず、世界の新興都市での投資が喧伝されるときは同様のリスクがありそうです。

結果論で言えば、「あのとき買っていれば」と思うことはあるかもしれませんが、それは世界のどこでも、株の場合でもあることです。

なお、大都市でも、ウェスタンオーストラリア州の州都パースも、地元の産業が資源関連に偏っているため、田舎町ほどではないものの、資源価格に景気や雇用が左右されやすいため注意が必要です。

天然資源ほど劇的な動きはないかもしれませんが、観光メインの都市、ケアンズ、ゴールドコーストなども、国内外の景気に左右されやすいので注意が必要です。

こちらは知名度が高いこともあり、外国人向けにも宣伝されることが多いので、特に気を付けないといけません。

数億円規模の資産があって、ポートフォリオの一部として資源都市、観光都市で大当たりを狙う(想定通りにならなくても耐えられる)ならありかもしれませんが、老後のための資金など、資産の大部分を投資として振り分けるのにはお勧めできません。

自分が住むための終の棲家として、値上がりも家賃収入もあてにせずに購入するなら別ですが。

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