オーストラリアでは、不動産価格の動きは'median price'(中央値)で示されます。
単純な「平均値」ですと、一件で数十億円もするような高額物件や、逆に難あり物件の安い価格に、平均価格が引きずられることになります。
そこで、一定期間の取引を価格順に並べ、ちょうど真ん中に来る価格(中央値)が指標として利用されています。
(例)実際の取引価格
8000万円
6000万円
5500万円
4000万円 ← 中央値
3800万円
2000万円
1500万円
とはいえ、これも万能の指標ではありません。
たまたまある時期に新築の高額物件が大量に市場に出れば、その時期の中央値は押し上げられます。
ここ3ヶ月で値上がりした、1年間で値上がりしたといっても、それは中古物件の取引が減少し、新築の供給が増えたからなのか、それとも中古物件でも価格が上昇しているのか、見極めが必要です。
データを取る期間が長く、対象の取引数が多いほど、データのブレは少なく信頼性が高いデータといえるでしょう。逆に、短い期間での数十件程度の取引数の中央値であれば、大幅に値上がり(値下がり)しているといっても、あまり信頼性はありません。
ある地区では1LDKの間取りが多く、別の地区では3LDKの間取りが多いなど、地区によって特性が異なる場合もあります。この場合は、単純に地区ごとの中央値を比べただけでは、実質的な値段の違いが分かりません。
データ提供会社では、戸建て、マンションに分けて、またベッドルームの数に分けて、中央値のデータを提供しているところもあります。
また、新築物件の場合、売り出し価格には、建築コストに加えて、開発業者の利益も含まれています。新築物件の値動きは、必ずしも不動産取引市場全般の動きを反映しているとは言えません。
したがって、この地区では値上がりしていると業者に紹介されても、新築の売り出し価格が値上がりしているだけなのか、それとも中古物件の価格も値上がりしているのか、分析が必要です。
この点は、業者の言い分を鵜呑みにせず、自分で調べる必要があります。または、中立の立場で情報を提供している企業から、(ちゃんと自分で費用負担して)データを購入するかです。
そもそもデータが整備されていない途上国で投資する場合は、自分の足で現地で調べるか、現地に(売り手でない、少なくとも中立の)パートナーがいないとリスクが高いです。
途上国案件の場合、値動きとか成長性とか、たいていの情報の出所は開発業者(売り手)なのが実際だと思いますが。
自分が将来売却する際には、当然、中古物件として扱われることになります。マーケット全般に、中古物件の価格が上昇していなければ、(キャピタルゲインも狙う場合の)投資としては意味がありません。
いずれにせよ、その都市(地区)で何%上昇したといっても、全体の傾向を示す目安にしかなりません。投資として成功したかどうかは、自分が投資した物件の価格が上昇しているかどうかによります。
自分の購入した物件がどの程度値上がりしたか(厳密には、値上がりしたと推測されるか)は、立地、間取り、設備などが同程度の物件で比べてみないと分かりません。
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