既存の契約者としては、頭金は返却してもらえますが、その間の物件の値上がり益を享受することができません。2~3年間を無駄に過ごしたことになります。
今回報告された事案では、マンションは完成しましたが、当初に約束された内容とはずいぶん違うというものです。
シドニー在住のK氏は、2012年、まだ建築が始まっていない段階で、都心の1LDKのマンションを約5000万円で購入する契約を結びました。
2015年の現在、間もなく完成ということで内覧したところ、パンフレットで示された以下のイメージと全く異なるものだったとのことです。
パンフレットでのイメージ
Source: Domain
1LDKですから、寝室1つと"LDK"で、全部で2部屋あるはずです。しかし、内覧したところ、仕切りの壁もドアも全くなく、1部屋しかないワンルームの状態だったというのです。
専有面積は予定通りだったとしても、1LDKとワンルームでは、需要層も異なりますから、資産価値も違ってしまいます。
本来は前掲イメージのとおり、仕切り壁とスライド・ドアで独立した寝室になるはずでした。
ディベロパーの言い分によると、市役所が当初どおりのレイアウトでは建築許可を出さなかったため、仕方なく壁を撤去したとのことです。
確かに写真を見ると、採光窓も通気口もありませんので、本来はベッドルームとして認められません。
ディベロパーとしては、固定の壁ではないからグレーゾーンで認められると見込んでいたようですが、結局、この場所に壁を作り寝室を設けてはいけないと市役所に言い渡されたようです。
ディベロパーとしても一部、非を認めており(少なくとも、契約者に告げずに建築を続行したのは問題です)、契約を解除して頭金を返却するか、内装をアップグレードした上で広めのワンルーム物件として受け入れるか、の選択肢を提供しています。
K氏は弁護士と相談中とのことですが、裁判をするにしても訴訟費用と時間がかかります。
なお、当該物件の内部専有面積は42㎡とのことですが、シドニーでは1LDKとして許可される最少面積は50㎡です。本件では、購入前に専門家に相談していれば、何かがおかしいということは明らかだったとも言えます。
シドニー(NSW州)での最低専有面積(バルコニーを含まない)は以下のとおりです。日本のワンルームのような20㎡ほどの物件は存在しないため、投資金額はどうしても高くなりがちです。
- 35m2 for studio (ワンルーム)
- 50m2 for 1 bedroom
- 70m2 for 2 bedroom
- 90m2 for 3 bedroom
当初予定より部屋の数が一つ少ないというのにK氏はショックを受けたようですが、他にもパンフレットで説明されていたグレードとの違いを指摘しています。ご参考までに、比較写真を以下に紹介します。
他にいくつも物件を保有しており、一つくらい失敗しても大した問題ではないという方は別として、やはり完成後の新築物件を内覧したうえで購入契約を結ぶほうが安全です。完成前に完売してしまうようなブーム期を避けるということでもあります。
パンフレットのイメージ
完成時の実際
おそらく向かい建物とのセットバックの関係で
バルコニーは縮小。キッチンも別タイプに
パンフレットのイメージ
高級ホテルのようなバスルームになるはずが、
完成時の実際
普通のタイル張り、シャワーもシンプルに。
ただし、こうした内装変更がありうることは、通常、契約書にも明記されています。
Source: Domain
0 件のコメント :
コメントを投稿