シドニーの都心から30~40km離れた周縁地域では、オークション成約率が50%にまで低下したと報告されています。どんな地区でも、どんな物件でも売れるような熱が冷め始めたことは確かなようです。
この点から、将来の投資にあたっての示唆を見出すとすれば、たとえ人口増加が続いているとしても、周縁地域から先に投資熱が冷め始めるという点は留意しておくべきと思います。
通常、こうした周縁地域は、価格が上がり始める時期も後れを取ることが多いため(都心近くの住宅が手が出ないほど高額になってから、ようやく周縁部が注目される)、結局、値上がり局面の期間が短いということになります。
住宅を探すにあたっては、できることなら、より勤務地に近い場所、より便利な場所に住みたいと考えるのが自然な感情です。予算の都合でそれが叶わない場合、1駅、2駅遠い地区を検討し、それでもダメならさらに遠方を、という順序で検討するケースがほとんどと思います。
都心近くでも、街の雰囲気や治安によって、必ずしも郊外より高いとは限りませんが、基本的には、価格も家賃もまず都心近くのエリアで上昇し、周辺に波及していくのが通常です。
割安と感じられる価格が形成されているのは、それなりの理由があるはずです。周縁地域や地方の小規模都市で「一発当てる」ことを狙う場合は、他の大勢のマーケット参加者がまだ気付いていないポテンシャルを見抜く必要があると思います。
電車の新線が開通する、新駅ができるというのが典型的ですが、大当たりを狙うなら、こうした話が住宅価格に織り込まれていない段階で動く必要があります。
その場合、大きなリターンを狙う代わりに、新線が計画倒れに終わるリスク、開通が遅れるリスク、駅や線路の位置が当初計画と変わるリスクを取ることとなります。
一方、こうした計画の実施がかなり確実になってから参入する場合、まだアップサイドは残されていると思われますが(騒音問題などの不確実要素の裏返し)、リスクを取って初期に参入した投資家や、たまたま昔からそこに住宅を持っていた人に比べて、リターンは少なくなると考えられます。
なお、真の初期参入者は、住宅の買い手ではなく、そこで広大な土地を仕入れて、期が熟すのを何年も待っていたディベロパー(住宅の開発事業者)です。
オーストラリアでは、都市部の鉄道はたいてい州政府が運営しています。ディベロパーは、政権交代などで新線の計画が白紙撤回された場合、買い手のつかない広大な土地を持てあますリスクを負っています。その一方で、プロジェクトが無事に完遂されれば、リターンも大きく取ることができます。
住宅の購入者も、将来、予想通りに街が発展すればリターンは狙えると思いますが、ディベロパーが初期参入者として一定のリターンを取りますから、過剰な期待は禁物です。
0 件のコメント :
コメントを投稿