投資用物件としては、オーストラリアで自らも投資している不動産専門家の間では、概ね50戸以下の中・小規模のマンションが推奨されています。可能であれば、20戸以下が理想です。
大規模マンションの問題点は、複数の同じような間取りの物件が、同時に売却、賃貸募集されるリスクがあることです。値段を下げることでしか差別化できません。
さらに、建築規制の厳しいオーストラリアでは、大規模マンションを建築できる地区は限定されています。このため、こうしたマンションが開発されるエリアでは、これからも似たような大規模マンションが次々と周辺に建築される可能性が高いです。
いずれは、自分が購入した物件よりも新しい物件と競合することになります。
典型的にはタワーマンションで、間取りや広さは全く同じで、違いは階数だけというものです。
同じ間取りの物件が7階、10階、12階、15階で同時に売り(賃貸)に出ているとなると、買い手(借り手)のほうが交渉で有利になってしまいます。
「一番多く値下げしてくれた人から買う」となりますので。
また、買い手としては、将来自分が売るときも同様の状況になるリスクを織り込みますから、それほど高くは買ってくれません。(それを織り込まずに買ってしまうと、将来が大変です)
戸数が多い場合でも、低層マンション(3階程度まで)で敷地が平面的に広い場合なら、景観や立地状況に違いが出ますので、まだ差別化できます。
1LDK~3LDKの間取りの割合が分散され、さらにリバービューやオーシャンビューの有無で明確な違いがあればよいです。
さらに同じ2LDKでも、バスルームの数やバルコニーのサイズがそれぞれ異なるなど、特徴のある建物がベターです。
同じ建物の中でも、こうした違いで価格水準がだいぶ異なりますから、売るとき、貸すときに競合するリスクが低減します。
開発の規模が大きくなるほど、宣伝・広告にも資金を投入でき、外国人投資家の目にも留まりやすくなります。
メルボルン中心部の開発案件では、地元の人に比べて高く買ってくれることが多い海外(中国)でしか宣伝していないと問題になったほどです。
閑静な住宅地での全8戸の小規模開発なら、海外向けに大々的に宣伝されることはありません。
本来、キャピタルゲインを狙うなら、こうした希少性のある物件を追うべきです。
そしてこうした小規模物件は、何も秘密で売られているわけではなく、オーストラリアの主要不動産サイトにはちゃんと宣伝されています。(もちろん、ネットで世界のどこからでも閲覧可能です)
日本のワンルームマンション投資の場合、キャッシュフローの兼ね合いで、一戸当たりの管理費、修繕費が抑えられる規模が比較的大きいマンションのほうが人気です。
概ね50戸以上はないと、取れる家賃に比べて、管理費や修繕費の負担が大きくなってしまいます。
一方、オーストラリアでは、大規模マンションではエレベータ、プール、ジムなどの付帯設備のコストがかかるため、大規模マンションのほうが維持管理費が高くなる傾向があります。特にエレベータの維持管理費は大きな割合を占めます。
このため、玄人の投資家は、低層の小規模物件を好みます。維持管理に係る保有コストをできるだけ抑えながら、キャピタルゲインの期が熟すのを待つというやり方です。
アジアの大都市で投資する場合は、セキュリティの兼ね合いで、外国人投資家向けの物件は、どうしても大規模マンションになると思います。キャピタルゲインを狙っての投資なら、大規模物件特有のリスクを織り込んでおくことが必要です。
周辺に同じような大規模マンションが次々に建設される可能性がある一方で、それを上回るほどの経済成長や住宅需要があるかということです。
融資に関して、オーストラリアでは、銀行は建物自体に万が一のことがあった場合のリスクを考慮し、同一マンション内での貸出し数を制限しています。このため、既に大勢の投資家が条件の良い銀行からローンを引いている場合、自分はその銀行からは借りられないリスクもあります。
また、銀行によっては、4階建て以上の建物への融資額を制限しているケースもあります(自分が購入するのは2階部分であっても制限を受けます)。
この場合は、頭金を3割入れるか、頭金を少なくしたいなら特別な手数料を支払う必要があります。銀行としては、過去のデータ・経験から、こうした規模の大きな開発案件のリスクを考慮しているということです。
0 件のコメント :
コメントを投稿