キャピタルゲイン狙いを前提とするなら、シドニーでの次の買い時は、2019~2020年頃と考えています。
2016年まで上昇継続(ペースは鈍化)、2017~2018年は横ばい(やや下落)、2019~2020年に反転(底打ち)の兆し、という経過の想定です。
丁度良いタイミングで、目当てのエリアで、いい物件が売りに出るとも限りませんので、底値をピンポイントで買うのは非常に困難です。
一方で、金利の支払い、保有コストを考えると、ピーク期や、回復前のあまり早い時期に参入するのは避けたいものです。キャピタルゲイン狙いの物件の場合(一般に、家賃収入の利回りは低い)、頭金2割程度であれば、毎月の持ち出しが発生します。
1、2年は価格が動かなくても仕方がありません。しかし、毎月の持ち出しが発生する一方で、5年間、思ったように価格が上がらない、むしろ下がっている、という状況では、いくら中長期投資とはいえ、精神的にも、金銭的にも持ちこたえるのが難しくなります。
この点で、最初から収支が黒字のキャッシュフロー型の不動産投資とは異なる考慮が必要です。
もっとも、中国の通貨切り下げで、中国からの資金逃避が起きているとも言われています。こうした資金は、儲かるかどうかよりも、とにかく安全なところに移したいという動機のほうが大きいため、オーストラリアへの流入が一層加速する可能性があります。
この場合、シドニー不動産の上昇局面が想定より長引くかもしれません。既に、2014年ピーク説、2015年ピーク説と、多くの専門家の予想も裏切られ続けています。我々も、以前は2018年頃が次の買い時(底値圏)と想定していましたが、少し後ずれさせました。
過去3年間の上昇率(約40%)、鈍い平均所得の伸びを考えると、わずか2、3年の調整期間で、また価格が大きく上昇するとは考えられません。今回のピークを打った後、物価や賃金、家賃の上昇が追い付くまで、少なくとも数年はかかりそうです。(前回サイクルでは、2002~2008年まで横ばいが続いたようです)
直近数週間では、シドニーのオークション売却成功率は、以前の80%から70%水準へと低下しており、沈静化の兆しが見られます。現在の価格水準では買いたくないという人が徐々に増えているということです。
そして、9月(春)を迎え、クリスマス休暇まで、伝統的に売買の活発な時期を迎えました。大量の売り物件を吸収するほどの需要があるのか、注目されています。
一方、ブリスベンでは、以前は40~50%に低迷していた同率が、60%前後で推移しており、ようやく市場が温まってきたと実感しています。
近隣でも、ここ数か月、「物件を売りませんか」「価格を査定します」という投げ込みチラシがかなり増えました。仲介業者も、売り物件の在庫が不足しはじめたようです。以前は「買いませんか」のチラシしかもらったことはなかったのですが。
シドニーの高騰を受けて、国内外の投資家が、上昇余力のあるブリスベンに資金を投じはじめたとのニュースも報じられています。過去2年間、継続して報じられていた「シドニー市場がピークを迎え、投資資金がブリスベンに向かう」というシナリオもずいぶん後にずれました。ついにこのシナリオが実現するのでしょうか。
我々がターゲットとするエリアで調査した限りですが、一等地(超一等地ではない)のマンション価格を比べると、平米単価でシドニー1万ドル、ブリスベン5千ドル程度と約2倍の開きです。
都市全体の平均的なマンション価格(実際に取引された価格の中央値)で見ても、シドニー68万ドル、ブリスベン37万ドルと相当な格差です。
平均的な世帯所得で見ると、シドニーのほうが5%高いですが(2011年国勢調査)、所得差では説明できないほどに住宅価格の差が生まれています。
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