次の買い時については、前回こちらの記事で価格水準の面から検討しました。今回は、「マーケットの熱気」の面から検討したいと思います。
以下は、シドニーのオークション成約率の推移です。
Source: CoreLogic RP Data
2015年半ばにかけて、オークション成約率は90%近くに達していました。ほとんどどのような物件でも、売り手の希望価格を上回る買いが入る状況です。「今買わないと、二度と買えなくなる」という心理が支配していたと言えます。
その後、徐々に沈静化し、現在は70%ほどに低下しています。売れる物件と、そうでない物件の選別が始まっています。
過去2年間、一時的に成約率が70%まで低下し、そろそろシドニーの住宅ブームも終わりかと言われましたことが何度かありましたが(折れ線グラフで谷になっている時期)、その後、盛り返す動きが繰り返されました。
今回は、90%という歴史的水準に達した後で、そのまま低下を続けるのか、これまでのように盛り返すのか、注目を集めています。
なお、今回のブーム前、2010年から2012年にかけて、シドニーでのオークション成約率は50%程度で横ばいとなっていました。
過去の数値を参考とするなら、今後、成約率が低下を続け、1~2年の間、50%水準での推移が続く局面を迎えたとしたら、次の上昇局面の準備が整いつつある買い時と考えることができそうです。
もっとも、すぐにこの局面には到達しそうになく、これから数年はかかるかもしれません。
数年先になるかもしれないことを今お話ししている理由は、事前調査から実際の購入まで時間がかかるためです。
頭金の準備、ローンの事前審査、投資する地区、ストリートの選定(できれば事前の下見)などは一定の時間が必要です。仮に買い付けを入れたとしても、競合者もいますので、一発で購入できるとは限りません。
これまでのシドニー市況でも、これだという物件が売りに出ない、売りに出ても競合者に持っていかれる、という状況で、買いたくても買えない状況が1年以上続いている購入希望者の話は珍しくありません。そうして機会を逃している間に、価格は15%も値上がりしています。
「今が買い時だ」と誰もが思うようになってから情報を取り始めたのでは、出遅れる可能性があります。
豪在住の方は、今から行動を起こす必要はないかもしれませんが、特に海外から投資を考えている方の場合は、機会を捉えて、投資候補先のエリアを旅行がてら下見しておくのもよいと思います。
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