以下は、中国本土から世界主要都市への不動産投資の資金の流れです。
総金額の伸びもすさまじいですが、時期によってロンドンが人気となったり、ニューヨークが人気になったりと、変遷するようです。
2014年はオーストラリア(シドニー、メルボルンの合算)が一番人気となっています。
Source: Business Insider Australia
人口規模で考えると、シドニー、メルボルンを合せて900万人くらいですので、ロンドンやニューヨークに匹敵する規模となります。
第一に選好する都市が変遷していることから、比較的割安な都市を求めて、資金が動いているようです。日本でも一時期マレーシア投資が流行しましたが、業者が活発に宣伝し、投資家が情報を得やすい場所へ、投資資金が集中するということも考えられます。
周りのみんながそこに投資しているから安心だとか、乗り遅れたくないという心理も働いているかもしれません。
また、将来の移住も見据えて、永住権の取りやすさなど、各国の移民政策にも左右されることもあるでしょう。カナダは昨年、富裕層専用の永住権制度を廃止しました。
オーストラリアでは、不動産業者も中国語サイトを開設したり、中国に支店を設けたりと、基本的には中国マネーを歓迎しています。中国語を話せる不動産仲介業者は、歩合制で、若くして年収何千万円というケースもあるようです。
一方、住宅価格の高騰で住宅を取得できなくなった庶民の間では、徐々に海外投資マネーへの嫌悪の芽が生まれつつあります。まだ一部の意見にすぎず、社会的な摩擦を生んでいるというほどではありませんが。
どうやらこれは初めてのことではなく、20数年前はゴールドコースト中心に日本マネーの爆買いで、摩擦があったようです。
豪政府もこうした庶民の声と、投資を歓迎する産業界の声の板挟みで、対処する必要があるのは分かっているが、なかなか動きにくいというのが現状のようです。
この3年間で30%上昇したシドニーの不動産市場ですが、これでもまだ北京や上海、香港に比べれば割安のようです。対人民元での豪ドルの下落も効いています。豪政府が多少規制を強化したところで、中国マネーの流入は減少しそうにありません。
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