2015/06/24

キャピタルゲインを狙うには

以下の表は、2015年3月四半期に売却された住宅のうち、キャピタルゲイン(キャピタルロス)があったものの割合を示しています。
シドニーでは近年の大幅な価格上昇(3年間で約30%)のため、ほとんどのケースでキャピタルゲインを達成しています。

Source: Business Insider Australia

シドニーでもわずかにキャピタルロス(Pain)のケースがありますが、これは近年の価格上昇後の局面で買ったものの、何らかの事情ですぐに手放さざるを得なかったケースであろうと考えられます。

全般に見て、主要都市(Capital City)のほうが、地方(Regional)よりも、キャピタルゲインを達成できるケースが多いことが示されています。

都市部のほうが需要が底堅く、新規の土地の供給も限られることが要因と考えます。(主要都市でも、高層マンションが林立している一部の地区は注意が必要ですが)
値段が安いからと地方の物件に手を出すのは、特に現地に詳しくない海外投資家にはお勧めできません。

また、シドニーを除き、戸建て(Houses)のほうが、マンション(Units)よりもキャピタルゲインのケースが多くなっています。高層マンションが次々に建って、売るにせよ貸すにせよ、需要が追い付かないということがないよう、地区選びには慎重を要します。

戸建ての場合、少なくとも都市部では、新規供給数が増えることはまず考えられませんが(新しく建てるなら、マンションになる可能性が高い)、都心から離れた郊外では、工場跡地など広大な土地がありますから注意も必要です。

次に、以下は平均保有期間です。
主要都市で、キャピタルロスが発生したケース(Pain)での平均保有期間は5年間。一方、キャピタルゲインを達成したケース(Gain)では、平均保有期間は9~10年となっています。

Source: Business Insider Australia

短期的には、景気や金利の動向、過剰供給などのあおりを受けて、価格が下がることもあります。

もっとも、オーストラリアのファンダメンタルズを考えれば、人口増、GDP増、物価上昇が中長期のトレンドです。長い期間保有するほど、ファンダメンタルズを反映した価格に収れんすると考えられます。

今回お示しした過去のデータから、主要都市で、地区を間違わず、そしてできればピーク局面で買わない(高値掴みしない)ことを心掛け、中長期の視点で保有を続ければ、キャピタルゲインを達成できる可能性はかなり高いと言えます。

また、長期保有を可能にするためにも、資金難で想定よりも早く手放さざるをえないという事態に陥らないよう、物件購入前に資金計画を立てておくことが大切です。

日本での不動産投資と同様、売買のコスト、税金もかかります。2、3年の短期保有では、ブーム直前に買って、ピークで売り抜けるといった幸運に恵まれない限り、ほとんど利益は出せないと思います。

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