ブリスベンの中心まで徒歩15分、高台で洪水の心配もない好立地です。すぐ周辺は閑静な住宅地でありながら、徒歩5分圏内に複数のカフェやレストラン、スーパーもあります。バス停もすぐそばにありますが、市の中心部に向かうなら、歩いてもさほど時間は変わらないでしょう。
マンション外観
仲介業者に話を聞いたところ、築5年、広さはバルコニーを入れて79㎡です。現在はオーナーが自分で住んでいるが、貸し出せば週515~530ドル(月約20万円)の家賃は取れるだろうとのこと。
間取り図には入っていませんが、建物地下の駐車場に1台分専用スペースが確保されています。なお、車社会のオーストラリアでは、シドニーの都心部を除き、専用の駐車スペースがあるのは普通です。
希望価格は535,000ドル(約4,800万円)です。
物件間取り図
なお、オーストラリアでは、売り手市場の時期やオーナーが強気の場合は別ですが、通常は交渉で4~5%の割引が行われることを織り込んだ高めの価格が提示されています。(競合する買い手が他にいるかにも左右されますので、必ずしも割引価格で買えるわけではありません)
帰宅後、大手の売買・賃貸仲介サイトで確認してみると、ほぼ同じ間取りの2部屋が賃貸募集中です。一つはさらに眺望の良い上層階かつ家具付きで週490ドル。もう一つは家具なしで週470ドル。週500ドル以上という見立ては希望的観測の域を出ません。
また、本件を合せて、3つの部屋が売りに出ています。40戸程度の中小規模マンションで、同時期に2部屋が賃貸募集され、別の3つが売りに出ているというのは良いサインではありません。
東京のワンルームマンションなら、同時期に2つ、3つの部屋が空室でも珍しくありませんが、ブリスベン全体の平均空室率は2%です。
特に、築5年しか経っていないのに、オーナーが次々に売却を望んでいるというのが不可解です。複数の専門家が、これから数年、ブリスベンの住宅価格が上昇すると予測しているにもかかわらずです。
オーナーを売却に走らせている要因は、隣地にあるかもしれません。筆者の知る限り1年以上前から空地のままですが、隣にはかなり大きな更地があります。おそらく、ここに大規模なマンションが建設される動きでもオーナーが察知したのでしょう。

すぐ隣には大きな更地が
このケースでオーナーが不運だった点は、当該エリアの建築規制が近年、変更されたことです。従前は5階建てまでしか建てられなかったのが、20階建てまで可となりました。規制の変更でディベロッパーの採算が取れるようになったため、周辺では、低層の店舗・オフィスビル、老朽化した町工場・倉庫が、次々と20階建てのマンションに建て替えられています。
建築規制は政策によって将来変わる可能性がありますから、あまり当てにしないほうがよいのでしょう。
もっとも、このエリアも、一通りマンションが建ちきった後は、都心に極めて近い便利な地区ですから、投資としては面白いと思います。当面は過剰供給になりそうですが、物件がだぶつき、「値段はいくらでもいいから、買ってほしい」という状況になれば、海外の投資家にもチャンス到来です。
0 件のコメント :
コメントを投稿