2015/07/20

オーストラリアの不動産投資ローン事情

今回は、オーストラリアの不動産投資ローン事情を概説します。

中国本土からの投資家は現金購入者が多数のようですが、オーストラリア国内では、ほとんどの購入者がローンを利用しています。

最近は大手銀行が不動産投資ローンの自主規制(頭金2割以上を要求)を始めましたが、つい最近までは、追加の保険料(数十万円)さえ負担すれば、頭金1割、場合によっては頭金5%でも投資ローンが借りられる状況でした。

この追加の保険料というのは、頭金が少ない分、破たんするリスクが高いということで、ローン返済が不可能になった場合に、貸し手(銀行)を保護するための保険です。借り手(投資家)の保護ではありません。その保険料を負担するなら、頭金が少なくても貸してあげるよ、というのが銀行の姿勢です。

現時点では、先述のとおり投資ローンの自主規制で、頭金を2割以上要求するようになりました。もっとも、これは投資向け融資の急激な増加を抑える主旨の自己規制ですので、自宅用住宅ローンに関しては、これまでどおり、保険料さえ払えば頭金は少なくて良いようです。

現在の不動産投資ローンの金利は、変動金利で4.0%~4.5%前後が多いようです。3年~5年固定金利で4%台後半といったところです。

数年前は金利7%~8%でしたので、これでもずいぶん下がりました。もっとも、物価上昇率が2%であることも加味すれば、現在の実質金利は2%程度です。
日本で物価上昇率1%、投資ローン金利3%とすれば、実質的にはそれと変わらない金利水準です。

なお、オーストラリアでは、自宅用の住宅ローンと不動産投資ローンで、金利に違いはありません。一昔前は、日本と同様、自宅用ローンのほうが金利は低かったと聞いています。
現在では、オーストラリアの金融機関は、自宅用でも投資用でも、返済遅延や破たんのリスクは変わらないと考えているということです。

オーストラリアでは、個人の不動産投資に対して融資することは何ら特殊なことではありません。豪国税庁の統計によると、国民(成人)の約10%が不動産投資を行っている(自宅以外の賃貸用不動産を所有している)状況です。

ほとんどの金融機関が融資に取り組んでいるため、銀行同士の競争も激しく、投資用ローンだからと金利を上げると誰も借りてくれないという実情もあります。

日本の保守的な金融機関では、地主さんへの融資はともかく、個人向けの不動産投資ローンは、「あやしい」「いかがわしい」といった印象がまだあると思います。特に区分マンション投資用に取り組んでいる金融機関はごくわずかです。

また、オーストラリアの銀行は、個人の住宅・不動産購入に対して、ノン・リコース・ローンは提供していません。
アメリカのサブプライム・ローン問題の際には、銀行に住宅を明け渡せば残債は免除される(ノン・リコース)ということで、ローン返済の放棄と、差押え不動産の投げ売りが横行しました。

個人向けノン・リコース・ローンのないオーストラリアでは、経済ショックがあったり、不動産ブームが終わったとしても、アメリカのように住宅価格が急激に下落する可能性は低いと言われています。

なお、豪4大銀行のうち、以下の銀行は日本に支店を置いています。オーストラリア不動産に融資を受けて投資したい場合は、まずはこちらの支店に相談してみてはいかがでしょうか。

ナショナル・オーストラリア銀行の場合は、「ナショナルオーストラリア銀行東京支店では、オーストラリアとニュージーランドに不動産を新規購入、現地で組まれたローンの借換え、また、既にお持ちの不動産を担保にお借入れが可能な、海外不動産ローンをご用意しております」と明記しています。

ナショナル・オーストラリア銀行
http://www.nabasia.co.jp/jp/personal-private-banking/loan-products/overseas-property-finance/jp/index.html

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ銀行)
http://www.anz.co.jp/about-us/profile/

今般の日豪経済連携協定をきっかけに、カンタス航空、ANAも日豪航路の新設を表明しました。日豪の経済交流が活発化すれば、日本での事業を積極化する豪系金融機関も増えるかもしれません。

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