2015/08/22

「海外投資家に人気の物件」は安心か

ブリスベンでも次々とマンションが建設されています。街のどこを見てもクレーンが目につきます。



数年前までは、一棟のマンション建物のうち、外国人投資家(非居住者)への販売は区分所有権の50%が上限という規制がありました。

現在は、外国人投資家の割合に関する制限がなくなり、メルボルンの特定の地区では、ほとんどが外国人オーナーという物件もあると聞きます。

地元の相場を知らず、多少割高でも買ってしまう海外富裕層は、ディベロパーにとっても優良顧客です。

以前、メルボルンの物件で、中国語のみの宣伝しかしてない豪ディベロパーがメディアに糾弾されていました。ディベロパーにとっては、値引きせず現金で買う外国人富裕層は自国民より優先というところでしょうか。日本でも「爆買い」が言われていますが、オーストラリアでも存在感を発揮しています。

ただし、オーストラリアでは、物品の購入よりも、不動産市場での存在感が日増しに増大しています。個人投資家の住宅購入はもとより、ディベロパー企業の進出、農地買収も行われています。

外国人投資家、中でも中華系の方は、都心に近いタワーマンションを志向するようです。しかし、オーナーのほとんどが投資家で、しかも海外に住んでいるとなると心配なこともあります。

日本の投資マンションでも珍しくありませんが、管理費や修繕積立金を滞納するオーナーもいます。これを海外まで督促するのは大変な労力とコストです。

「他の人が払っていないのだから、自分も払わない」というオーナーが続出し、しかも海外在住となると、どうにもなりません。

こうなると管理会社も補修や清掃コストを切り詰めるほかなく、荒れたマンションになっていきます。当然、家賃水準や空室率、将来の売却価格にも影響します。

また、中国でのマンション投資ではよくある慣習のようですが、空室のまま「保管」することがよくあるようです。他人に使わせると「傷んで価値が下がる」という発想のようですが。

中国ではスケルトン渡し(内装は自分で実施)なのでまだ理解できますが、オーストラリアでは内装つき(システム・キッチン、食器洗い機なども含む)ですから、全く使用していないとしても、10年も経過すれば間取りや内装、付帯設備の陳腐化(型やデザインが一昔前のものになる)は進みます。

そうした空室のままの部屋が多いと、住民が増えることを見込んで進出してきた店舗や飲食店が撤退し、まさにゴーストタウンのような様相を呈してしまいます。

こうした状況で有名なメルボルンの地区に行ったことがありますが、夜9時ごろでも、驚くほど部屋に明かりがついていません。全て、築5年以内くらいの立派なマンションです。

将来の人口増や街の発展を見込んで投資した場合は、あてがはずれるかもしれません。

「海外投資家に人気だから安心」ではなく、「海外投資家に人気であれば、リスクがある」と認識すべきでしょう。

一般に、オーナーが自分で住んでいるケースのほうが、賃貸で住んでいるケースよりも、維持管理がしっかり行われる傾向があると言われています。これは日本でもそうでしょう。

日本の投資用マンションのオーナー総会に出席したこともありますが、総70戸で、出席者は3名程度です。投資用マンションは、どこでもこんなものと聞きます。

特に海外の物件では、自ら総会に出席し、維持管理にも目を光らせるのは事実上不可能です。

他人に乗っかるようで、ちょっとずるいかもしれませんが、過半数のオーナーが自分で住んでいるマンションを購入し、建物の維持管理はこうした自己使用のオーナーに事実上任せるのが得策です。

オーストラリアでは、自宅もいつか売却することを想定しています。ほとんどの人は資産形成の一環で住宅を購入し、資産価値の維持、向上には非常に熱心です。

一般的な傾向として、大都市のど真ん中にあるタワーマンションは、投資家の割合が高いようです。特に近年販売されている大型物件は、海外投資家の割合が増えています。

以下は、中華系の方々に人気地区での新築大型物件です。ほとんど地震のないオーストラリアとはいえ、将来、土台の補強が必要になったりすると修繕費が大変そうです。



自己居住のオーナーの割合は概ね5割以上が望ましいですが、閑静な住宅街にある中小型の物件であれば、そうした条件を満たすことが多いでしょう。中小型物件では大々的なPRをしていないことが多く、特に海外や州外の投資家の目に止まりにくいのです。

海外からの投資家は、むしろそうした物件に目を向けるべきだと考えます。

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