家賃収入の表面利回りは4~5%です。キャッシュフローの面では、東京のワンルームマンションのほうが優れています。
キャピタルゲイン狙いの醍醐味は、価値の値上がり(含み益)には課税されないこと、そして、毎年複利で価値が上昇することです。
キャッシュフロー型で資産を増やす場合、所得税を納めた後、残った資金で再投資を行う必要があります。
キャピタルゲイン型の場合は、いわば、税金を引かれず、増えた分を自動的に再投資に回しているようなものです。(もちろん、最終的に売却した時点で、譲渡益には課税されます)
オーストラリアでの住宅投資は、キャピタルゲイン狙いの投資となりますので、これから中長期で資産を築きたい方、または、子孫に安定した資産を引き継ぎたいという方に向いていると言えます。
今すぐリタイアして、家賃収入で生活したいという方には、オーストラリアの住宅投資は向きません。
もっとも、中長期的には物価上昇とともに家賃も上がり、相当な家賃収入になることは想定されます。しかし、短期的には、4~5%の利回りのキャッシュフローで、ここから経費負担、納税を行う必要があります。
キャピタルゲインを狙うとして、将来どれだけの価格上昇が見込めるか。我々は年率5~6%を狙うのが妥当と考えています。
これは、複利計算で、12年~14年で価格が2倍になる上昇率です。
価格上昇の要因として考えているのは以下の構成です。
・ 人口 年1.5%増
・ 一人当たりGDP(実質所得) 年1.5%増
・ 物価 年2~3%増
短期的にはマイナスになったり、10%以上上昇する時期もあるはずですが、中長期的には前記の要因で年5~6%程度、住宅価格が押し上げられると想定しています。
ただし、人口増加による価格上昇圧力をフルに享受するには、需要が増える一方で新規供給が制限される地区を選定する必要があると考えます。この点で、オーストラリアならどこに投資しても同じとは言えません。
人口が増える都市に投資するのは望ましいですが、その都市の中で、必ずしも人口が増える地区に投資するのが良いとは限りません。ある地区で大幅な人口増が予測されているということは、今後、大規模マンションが次々に建つ(役所も建築許可を与えるつもりがある)ということです。
経済的に余裕のある層が、利便性や治安などの面で、追加料金を支払ってでもその地区に住みたい。しかし、空き物件、売り物件が少ないため、値段が吊り上ってしまうという状況が投資家にはベストです。
年率5~6%の価格上昇というのは、以下のグラフのとおり、過去10年間の主要都市全体の平均上昇率とも概ね一致しています。
Source: CoreLogic RP Data
一昔前までは、オーストラリアの住宅価格は7~10年で2倍になると言われました。これは年率にすると7~10%の価格上昇です。
しかし、これからは少し減速するだろうと言われています。過去に比べて、世帯所得の伸び(共稼ぎ世帯の増加)、高いインフレ率、家計債務(住宅ローンの年収比)の増加といった、住宅価格の急速な上昇に寄与してきた要因が頭打ちになってきているためです。
以下のグラフは、1998年以降の、豪主要都市全体の住宅価格の上昇率(年率換算)推移を示したものです。
2000年代前半までは、年率15%を超える上昇が数年続くような時期もありました。近年はピークの時点で15%上昇に届くか、届かないかといった水準で、それも短期間に留まっています。
なお、2008年前後のリーマンショック時期、2011年前後の欧州債務危機でも、年率5%程度しか価格が下がっていない点も注目に値します。
Source: CoreLogic RP Data
豪中央銀行では、1990年代前半にインフレ・ターゲットが導入され、現在も物価上昇を年2~3%に収めることが目標とされています。
以下のグラフのように、かつては物価上昇率が10%を超える年や一ケタ台後半となる年も珍しくありませんでした。
近年は、景気によって多少は物価が上下しているものの、概ねターゲットのレンジ内に納まっています。2000年代後半以降では、物価が3%の水準を超えると金利引き締め策が取られ、物価が急降下している様子が見てとれます。
物価の上昇率が高止まりする可能性は、以前より低くなっています。資源価格の低迷が続く状況では尚更です。
Source: Reserve Bank of Australia
年率5~6%のキャピタルゲインは、着実な上昇とは言えますが、爆発力があるとまでは言えません。仮に、現金で購入し、家賃収入を合せても年10%程度です。
中国からの投資家は7割程度が現金買いと言われています。資産を増やすというよりも、資産を守りたい、海外に資産を分散したいという富裕層には、こうした戦略が好まれています。
一方、ローンを組んで投資した場合は、自己資金の割合にもよりますが、家賃収入はローンの返済と管理費などで全てなくなるでしょう。自己資金が少なければ、毎月の持ち出しが発生するかもしれません。
もっとも、自己資金1/3なら、キャピタルゲイン分で、自己資金比で年15~18%のリターンを期待することができます。そして、安定した物価上昇が続く限り、中長期的には家賃収入が増加し、ローン返済も楽になっていくことが期待できます。
オーストラリアは先進国ですので、途上国での投資のように一発逆転を期待することはできません。ただし、中長期的には価格・家賃の上昇を期待できます。
この点で、スタート時点での利回りは同程度でも、中長期的には価格や家賃が下がっていく(購入時がピーク)と想定されるマーケットでの投資に比べて、将来性があると考えられます。

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