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オーストラリア全体では、購入時に比べて、値上がりしたケースが90.9%、値下がりしたケースが9.1%。
価格が2倍に値上がりしたケースも、全体の30.8%を占めています。
値上がり分の平均額はプラス$259,174(約2,300万円)、値下がり分の平均額はマイナス$65,585(約600万円)です。
なお、上記の数値は、同一物件の購入時と売却時の価格を単純に比較したもので、売買に係る諸経費やインフレ率などは考慮されていません。
(投資用の場合)家賃収入も併せないと最終的な収支は不明ですが、諸経費や譲渡税も考慮すれば、実質的な値上がり益はより少なく、値下がりによる損失はより大きくなるはずです。
なお、平均保有期間については、値上がりしたケースは9.9年。さらに、価格が2倍になったケースでは、16.4年。
一方、値下がりしたケースの平均保有期間は5.3年です。
単純化すれば、長期間保有しているほど値上がり益を享受できる可能性が高かったと言えます。長く保有していれば、いつかは住宅市況の値上がり局面に当たるときが来ます。また、中長期では、都市圏の拡大(人口増)や賃金の伸び、物価上昇率など、住宅価格を押し上げる要因が効いてくることもあるでしょう。
過去3年間で40%超の価格上昇が起きたシドニーでは、当該四半期の売却事例のうち、約98%が購入時と比べて値上がりを記録しています。値下がりケースは、戸建て2.2%、マンション(区分所有権)1.8%にすぎません。
Source: CoreLogic RP Data
シドニーでの値下がりのケースは、資金難などのため、購入後、すぐに売却せざるを得ない状況に追い込まれたケースだろうと推察します。また、マンションのプレビルド案件(完成前の購入)で、実勢価格より高い値段で契約してしまったというケースもありえます。
これまでシドニーでは、住宅さえ保有していれば、よほどのことがない限り、誰でも保有資産の価値を増やすことができたと言えます。
もっとも、現在のシドニーの価格で参入した人が売却を始める数年後には、値下がり案件の割合は、だいぶ違った数字になっているかもしれません。
11月末時点の価格データが出始めていますが、シドニーでもついに市場全体的に価格が下がり始めたとの報道もあります。
上記のデータで、シドニー以外では様相が異なります。
値下がり事例の割合は、メルボルンでは、戸建て3.5%、マンション10.5%。
ブリスベンでは、戸建て7.2%、マンション16.6%です。
これでもまだ、値上がり事例のほうが8割~9割と圧倒的に多いのですが、誰でもほぼ確実に儲かったとまでは言えません。
住宅需要と比べ供給がひっ迫していると言われるシドニーでは、戸建てもマンションもそれほど変わらずに値上がりしました。値下がりケースの割合で見ても、双方それほど変わりません。
一方、メルボルンやブリスベンでは、戸建てとマンションの差が顕著です。これらの都市でマンションに投資する場合は、当該エリアの需要と供給の見極めが大切です。工場や倉庫、農地だった用地の転用で、新築マンションがどんどん建つおそれのあるエリアもあります。
個人的には、戸建てとマンションの値段があまり変わらない郊外のエリア(土地が安く、マンション価格のうち建物分の割合が大きい)では、マンション投資はリスクが高いと考えます。
仮にそうしたエリアで投資する場合は、おそらく住民もファミリー層が多いはずで、戸建てを選ぶのが素直だと思いますが、戸建ては家賃利回りが低めであること、建物管理の手間がかかるというデメリットもあります。
エリアの選択については、大都市圏(各州都)とそれ以外の地方部の平均値を比べると明白です。
同調査によると、大都市圏(Capital City)は、戸建ての5.0%、マンションの8.4%が値下がりを記録。
地方部(Regional)は、戸建て12.5%、マンション23.8%です。
全般に、大都市で中長期的に物件を保有するのであれば、かなり高い割合でキャピタルゲインを狙えると言えますが、都心から離れたエリアや地方部で投資する場合、特にマンションには注意が必要です。
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