オーストラリア主要8都市の住宅価格(実際に売買が行われた価格の中央値)は、前年同月比で10.1%上昇しました。
主な都市の上昇率は以下のとおりです。
・ シドニー 15.4%
・ メルボルン 9.4%
・ ブリズベン 7.0%
上記キャピタルゲインに家賃収入を加えた年間総リターンは、以下のとおりです。
・ シドニー
20.2%
・ メルボルン 13.3%
・ ブリズベン 12.2%
※ 不動産市況調査会社RP Dataによる数値
(2014年6月末時点)
Source: RP Data
PropertyUpdate.com.au
2014年3月時点での年間上昇率と比べると、
・ シドニーは勢いを維持(さらなる加速なし)
・ メルボルンは減速
・ ブリズベンは上昇が加速、との傾向が見られます。
この間の物価上昇率(CPI)は約3%でしたので、実質的な資産価値の上昇は、上記の数値から少々割り引かなくてはなりません。
なお、オーストラリアでは、地価(土地の価格)ではなく、戸建ての場合も土地・家屋一体で、実際に取引された価格のデータが使われるのが一般的です。
また、平均値ではなく、中央値(median:高さの順に並べたときに全体の真ん中に位置する値)が使われています。
ところで、先日公表された日本の路線価(2014年1月時点)では、東京都が前年比1.8%上昇、全国平均はマイナス0.7%でした。
東京で最も上昇した地点は、商業施設やオフィスが集積する銀座、新宿や、東京オリンピック開催による再開発が期待される湾岸地区で、前年比10%程度の上昇と報じられています。
総務省が発表した2014年5月のCPIは前年比3.4%上昇、消費税の影響分を除くと1.4%の上昇です。
物価も考慮に入れると、実質的な地価の上昇は、東京都でも全体では横ばいといったところです。
日銀も2%程度の物価上昇をターゲットにしていますので、少なくとも年2%以上の地価上昇が続かないと、実質的な資産価値は目減りすることになってしまいます。