2014/07/10

消費の伸び緩慢に

オーストラリアでは、家計の消費動向は住宅価格を占うバロメーターとされています。

仕事が確保され、所得も上昇すると見込まれる状況では、消費が増えると共に、安心して住宅ローンを組む人が増え、ひいては住宅価格の上昇につながるということです。

逆に、失業が増え、給料も下がるような状況だと、消費が減ると共に、新規に住宅ローンを組む人が減ることに加え、住宅ローン返済が滞って売却せざるを得ないケースが増え、住宅の需給バランスが崩れて価格が下がるということになります。

このほどANZ銀行(豪4大銀行の一角)が発表した2014年第一四半期の家計の消費調査によると、消費の伸びは0.5%に留まったようです。

ここしばらくは四半期ごとに0.7%程度の上昇が続いていました。伸びは続いているものの、ここにきて成長のスピードが落ち着いています。
今後、住宅価格の上昇も落ち着いてくることを示唆しているかもしれません。

また、ANZ銀行は、所得の伸びが緩慢であることから、2014年を通して消費の伸びはわずかなものに留まると予想しています。

一方、来年度については、資源分野以外の業種が勢いを取り戻すにつれて、数字が改善するとの予想が示されています。