2014/07/10

中国資本の不動産投資先

中国から海外の不動産に投じられた金額は、2014年第1四半期だけで、21億ドル(約2,100億円)に及ぶようです。(世界大手の不動産サービス企業JLL調査)

もっとも、Orient Capital ResearchCollier氏によると、この21億ドルは正規ルートの取引で把握されている金額にすぎず、いわゆるシャドー・バンキングを介したものは含まれていないため、本当の投資金額はその2倍、3倍でも不思議ではないとしています。

逆に考えると、中国からそれだけの資本が流出していることになりますが、国内の不動産市場の過熱を抑制したい中国政府としては、今のところ、国民の海外投資には異を唱えてはいないようです。

しかし、資本流出があまりに加速するようだと、いずれ引き締めに動くかもしれません。海外送金に規制をかけるなど、中央政府が動けばすぐに実行できそうです。

もっとも、政府がそういう動きを見せれば(うわさでも)、駆け込み需要でますますキャピタルフライトが加速するかもしれません。

日本でも、中国をはじめ、香港、台湾の投資家が、東京のマンションを買い進めていることが話題になっているところです。

前述の約2,100億円の投資先については、以下の少数の都市で過半数を占めていると報じられています。

・シカゴ     460億円
・ロンドン    380億円
・シドニー    240億円
・メルボルン     150億円
・ロサンゼルス    140億円

中華系の方は、親類や同郷出身者のつながりを重視すると聞きますので、特定の地域に一旦集まりができると、そこに人も資金も集中する傾向があります。

オーストラリアにも、シドニー、ブリズベン、ゴールドコーストなど都市部には、中国の投資家を対象にした不動産仲介業者(店名も中国語)はたくさんあります。

海外旅行のついでに物件を視察して、キャッシュで買っていくようです。

Data source: Business Insider Australia 78日付記事